失敗の本質:ミッドウェー作戦

失敗の本質

ミッドウェー作戦についての3つ問題点と、今学ぶべき点。

・目標の共有化不足
山本 五十六連合艦隊司令長官は、ミッドウェーを占領することで、米空母群を誘い出し、航空戦を展開、当時最も鍛錬され洗練されていた日本軍の航空機部隊で一気にこれを殲滅することにあった。しかし、南雲 忠一第一機動部隊司令長官は、ミッドウェーの占領そのものが最優先課題であると考えた。

今学ぶこと
目的が共有化されないことは、戦時において致命的な結果をもたらす。これと照らし合わせると、現代の組織における問題点とは、経営トップと現場指揮官の組織としての目標が共有化されないことは、プロジェクトの方向性のずれ、ひいてはモチベーションの維持を困難にし、社員の離脱、経営状態の悪化をもたらす。

・索敵の失敗
索敵機の遅延、報告の不手際により敵艦隊の位置を明確化することができなかった。

今学ぶこと
#現代の組織における敵とは、ある意味顧客なのかもしれない。顧客のニーズを知らずに、案件を取る(戦闘を行う)ことは、厳しい戦いとなる。顧客を知るために外的情報を把握し様々な情報リソース、インターネットや雑誌、各種DBで知るとともに、内部情報を人的ネットワークを最大限に用いこれを把握する。このことがプロジェクトの発見には不可欠。

・攻撃力重視、防御力軽視
日本海軍の艦隊決戦の用兵思想から、攻撃力が最重要視された。しかしながら、攻撃力を発揮する前提条件である情報収集、索敵、偵察、報告、後方支援が欠落していた。
そして攻撃を受けた際に艦隊を如何に回復させるかというコンティンジェンシ・ープラン(contingency plan:不測事態対応計画)は殆ど練られる事はなく、ダメージコントロール不足のために沈まなくてもいい船が沈む結果になった。

今学ぶこと
戦果=攻撃して与えた敵への成果−自分の損害と自分なりに定義してみると、現代の組織においては、戦果=利益と考えられる。つまり、利益=販売価格−製造費用である。
販売価格にばかり機を取られてしまうと、きがつくと戦果=利益が失われてしまう。費用をしっかりと管理することで、ある程度の利益を獲得することができる。
そして価格の前提条件は、マーケットリサーチでありこれが情報収集や索敵等に匹敵するものなのだろう。つまり、市場の声を聞くことなく、最も適切な価格設定を行うことはできず、費用の把握ができなければ最大の利益を上げることができないということになる。

#他にも対照すべき視点は多くあると思う。視点プリーズ。