QoS論争は一般消費者にまで - Coxもファイル共有ユーザーに帯域制限 -

IN THE PIPELINE: ISPs Poised To Slow Bandwidth Hogs

日本でもぷららが行ったファイル共有アプリの帯域制限だけれども、アメリカでも深刻な問題になってまっせという記事。

Cox Communicationsでは新しく累進性の料金体系に切り替え、ヘビーユーザーにはより多くの課金を行いはじめている。ヘビーユーザー向けのプレミアムサービスは79.95ドルから89.95ドル。ライトユーザーは24.95ドルから29.95ドルと、3倍-4倍程度の差をつけている。専門家によればインターネットの総帯域のうち60%は5%のKazaaやGroksterのようなファイル共有アプリを使っているユーザーによって使われているから、こういう考えも出てくるというわけ。

この考えを突き詰めるとISPは、今後ブロードバンドサービスでも、セッションが断続的なブラウジングやメール等のアプリだけを使うなら安価に、持続的なファイル共有に代表されるP2Pのアプリ使うなら高額に、利用料金を設定するのではという考えにたどり着く。

こういった状況を受けて帯域制御の製品が注目を浴びている。ここで紹介されているのは、 P-CubeEngageという製品。これはファイル共有のダウンロードだけ低速にすることができるという優れもの。

ちなみにP-Cubeの競合は以前このBlogでも取り上げた(*1,2,3) Allot CommunicationsEllacoya NetworksSandvinePacketeerというところ。しかしながら、EllacoyaはCATV、PacketeerとAllotはエンタープライズ、P-Cubeは(有線)通信事業者に焦点を当てており、すみわけが明確。

ADSLだ、FTTHだ!と売りまくった挙句「ああ、やっぱあなた変な使い方(ファイル共有)してるから、めっちゃ高くしますよ」と言われる世知辛い世の中です。QoS至上主義はエンタープライズだけではなく、我々一般インターネット利用者にまで影響を及ぼす方向みたい。