GoogleとSCEI

CNET Japan Blog - 梅田望夫・英語で読むITトレンド:Googleの独自技術はどこまで汎用的で競争力があるのか

GooOS, the Google Operating System (kottke.org)

Kotteの論考は、非常に理路整然としていて読み応えがある。
ただ、自分としては yublog: GmailでGoogleは何をしたいのか。で書いた内容を洗練するために役立ったという印象。

競合=Microsoft
目的=Microsoftのローカルネットワーク支配を弱める
武器(競合優位性)=
・インフラ=ハードウェア=分散コンピューティング環境
・OS=Google独自ネットワークOS+強力な検索技術
・アプリケーション=検索サービス、商品検索、メールサービス、Blogサービス
以上三つにおけるネットの中での圧倒的な存在感。
開発中の武器=
・軽量OS(=GooOS?)
・オンラインオフィス(=Google Office)

ここまでは分かった。
ただ、私も梅田さんと同じく
「汎用性と競争力はどの程度か?」という疑問を見つけるにいたっていない。この二つを共存させているのがMicrosoftという会社であって、だからこそ支配的な位置にいるわけだが、Googleにも同じことができるのかは分からない。ただ最も近い位置にいることは間違い無いけれども。

地道にBlogと特許DBを見回って「手がかり」を掴むしかないかな。

追記で隠れてかいてみるけれども、私は梅田さんのこのエントリーを見て、二つの感想を持った。
1つは、「やはりGoogleはすごい。」という感想。
もう1つは「ああ、でも想定の範囲内だった。」という感想。

様々なBlogや文献、日本の中でできる若手との交流、自分のこれまでの経験、コンサルタントとしての素養から今後起きるであろう後者のある程度のところまでは想定できた。しかし、そのサービスを実際に実現できているGoogleという会社はすごいと思うのが正直な感想としてある。

日本で、分散コンピューティングを大規模にサービスとして展開していこうという萌芽が見える企業はソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEI)だろう。彼らはPS3というハードウェアとCELLというチップでコンスーマーが主役となる分散コンピューティング環境で足がかりをつくり、そこからCELLを横展開するモデルを考えているはずだ。

これをGoogleと対照するならば、インフラとしての分散コンピューティング環境はCELLで構築される。しかしながら、OSとアプリケーションの観点が彼らの戦略からは見えない。SCEIは自身が作り出すインフラを持って、日本で数多く存在するハードウェアエンジニア、そして徐々に生まれつつあるウェブサービスに深い造詣を持ったプログラマ及びビジネスプロデューサーという人間を早期に獲得し、「インターネット的発想」を組織の中に取り入れるべきだ。SCEIはいつまでもハードウェアメーカーであってはならないと思う。その可能性は多いと個人的に考えている。