人はなぜに録り貯めるか

ITmediaアンカーデスク:人はなぜテレビ番組を“録りためる”のか (1/2)

小野寺氏による、コピーワンスによる他機器へのコピーを禁止する方策が頭にくる理由のお話。

人間はディテールを記憶することができない。だから本屋では立ち読みを、レンタルビデオ屋では試聴を許可している。人間の記憶力には限界があり、その限界を超えた外部ストレージとして本やDVDを購入するのである。

私はPSXを持っているが、PSXで溜め込んだ番組を消す際にちょっと「もったいない」感を受ける。これはなぜだろう?2時間-3時間の番組を何十本も取ったところで見る時間はないし、そのコンテンツも毎週増えていくばかりだ。でも自分が取ったコンテンツを削除するのは惜しい。なぜだろう?

人間が何かを溜め込むというのは、いつ次の獲物が手に入るか分からなかった状況のもとで、今食べなくてはならないという本能に起因している。

ファイル共有アプリでも同じで、今手に入れておかなければ今度手に入るかどうかはわからないという考え方があるからだ。これは、先の人間の収集本能に端を発していると言える。

人間だけではなくリスを考えてみても同じかもしれない。リスはたくさんのどんぐりを自分の巣の中に持ち込む。また他の動物は土の中にどんぐりを沢山溜め込んでおき、いつか食べる。だが、沢山のどんぐりは食べきれない。必ずどんぐりはあまり、そのあまったどんぐりは芽を出し、年月をかけて木に成長する。

閑話休題

人間は、動物の一種類であり、その貯蔵本能は今だ健在だ。本能を食物に発揮する例はそれほど見かけなくなったが、それ以外でのデジタル財に関しては、行き場のなくなった本能を遺憾なく発揮しているのだろう。